早川(野呂川)林用軌道２・森林鉄道・林用軌道

早川(野呂川)林用軌道２
山梨県林務部(管理部署)　鰍沢(林務事務所)　早川(河川別区分)
３９．０Ｋｍ
（１９３２～１９４６年）

（山梨県南アルプス市）
（２００５・１１・２３）

　南アルプス林道の「夜叉神トンネル」より「広河原」までは１９５７年（昭和３２年）に開通

しました。途中の「観音経トンネル」北口の「アザミ沢」より「早川（野呂川）林用軌道」の終

点であった「深沢」までは、「早川（野呂川）林用軌道」の軌道跡をほぼ活用し、その林道化に

際して軌道跡のレールは撤去されました。しかし、「観音経トンネル」北口の「アザミ沢」より

「早川（野呂川）」下流の「奈良田温泉」付近までのレールは、そのままであったと伝えられて

います。

　「観音経トンネル」北口の「アザミ沢」より下流方向には、「早川（野呂川）林用軌道」の隧

道跡が３ヶ所存在する事が確認されていますが、東側より１ヶ所目と２ヶ所目の隧道間の道床跡

が「通行不能」の為、２ヶ所目以降の探索が不可能となっています。

　「観音経トンネル」の穿たれた地点は、「夜叉神峠」より西側へ舌状に山裾が伸びた地形であ

り、「夜叉神峠」東側の「御勅使川」方面より西側の「早川（野呂川）」方面へ連絡した５つの

古道の内の１つである「鮎差道」が通っていたのが、当にその舌状山地でした。

　「早川（野呂川）林用軌道」はその舌状山地の西縁を回り込む様な形で、「観音経トンネル」

南口付近より北口付近へ、「半円形」に敷かれていた様です。

　今回私は、総延長３９Ｋｍにも及ぶ「早川（野呂川）林用軌道」の内、「通行不能」により到

達不可能であった「観音経トンネル」北口以南の「半円形ルート」を探索しました。尚、現地は

「フォッサマグナ」西縁の「糸魚川━静岡構造線」に当たる為、地形の侵食崩壊が凄まじく、そ

れ故に南アルプス林道が３年以上に渡り「マイカー及び歩行者の通行禁止」となっている訳です

ので、今回も前回同様に「夜叉神峠」越えの登山道を使用しましたが、途中経路より「２万５千

分の１地形図」を頼りに、「道なき道」を歩いた関係上、進入ルートは伏せさせて頂きます。

　今回は夫婦二人での探索でしたが、道に迷ったり、妻が斜面から転落後に九死に一生を得たり

と、遭難の一歩手前でした。

※　「野呂川発電所」付近で、「野呂川」と「荒川」が合流し、「早川」となります。

５３３８３２　２万５千分１地形図名：夜叉神峠［北東］　(国土地理院地図閲覧サービスより引用・加工)
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